実家を二世帯に!リノベーションor建て替えどっちがおすすめ?


(公開日:2022年5月2日/更新日:2023年4月17日)

高齢になった両親のサポートや子育てのために、実家を二世帯住宅に変更し、両親と同居しようと検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ二世帯住宅を建てようと考えても、リノベーションと建て替えのどちらを選ぶべきか、迷ってしまう方も多くいらっしゃるかもしれません。


この記事では、二世帯住宅にするか迷っている方のために、メリット、デメリットをご紹介していきます。

そのうえで、二世帯住宅にする場合、リノベーションと建て替えのどちらが良いのか、それぞれのメリットや費用についてご案内します。実際に二世帯住宅に変更する際の進め方についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

二世帯住宅とは?

親世帯と子世帯の同居を前提として建てられた住宅を二世帯住宅と呼びます。
その中で、二世帯住宅は間取りによって3種類に分けられます。

■ 完全同居型

キッチン・浴室・トイレ・玄関が一つの二世帯住宅です。2つの世帯で同じ空間を使うのが完全同居型の特徴で、同居する人数分の寝室を用意するのが一般的です。

敷地が狭くても建てることができ、費用も比較的抑えられるのがメリットだと言えます。お互いの様子がすぐにわかるため、両親の介護や子どもの面倒を見てもらう場合に適しています。

一方でプライバシーの確保が難しくなりやすく、親世帯と子世帯で食事などの生活リズムにズレがあると、ストレスが溜まってしまう点がデメリットです。


■ 部分共用型

玄関やトイレなど、一部の生活空間を共有し、キッチンやリビングなどは世帯ごとに設けるタイプです。

1階を親世帯、2階を子世帯の居室にする場合が多く、プライバシーを確保しながら同居している安心感も得られます。完全分離型よりも低予算で建てられ、敷地面積もそれほど必要としません。

デメリットとしては、リビングを共有スペースにすると来客時に配慮が必要になる事や、浴室を共有スペースにするとお互いの些細な使い方の違いにストレスが溜まる、などのケースが考えられます。

互いに納得の上で二世帯住宅化できるよう、建築前にしっかりと間取りを打ち合わせしておきましょう。

 

■ 完全分離型

親世帯と子世帯の生活空間が完全に分かれているタイプです。玄関・リビング・キッチン・浴室も世帯ごとに設けられています。


同居というよりマンションの隣の部屋で生活するようなイメージで、何かあればすぐに連絡できる距離にいながらも、プライバシーをしっかりと確保できるのがメリットです。それぞれの玄関に表札を掛けられるので、名字が異なる場合にも便利です。最近では、家の中から往来できるように、ドアを設置する方もいます。


多くのメリットがある完全分離型ですが、すべての設備を2つ以上設けるため、他のタイプの二世帯住宅と比べると費用が高額になりがちです。

二世帯住宅のメリット・デメリット

二世帯住宅といってもタイプがあり、それぞれ間取りの違いや費用面でメリット・デメリットがあることを説明してきました。

二世帯住宅では間取りの問題だけでなく、親世帯と子ども・孫世帯が同じ場所で生活をしていくというライフスタイル上の問題も生じてきます。


ここでは、二世帯住宅での暮らし方というソフト面に焦点を当てていきます。長く快適な暮らしをしていくためには、ソフト面も非常に重要です。

ソフト面のメリット、デメリットを踏まえたうえで、ハード面について考えると、より納得のいく選び方ができるのではないでしょうか。

メリット1.子育てや家事をサポートしてもらえる

同じ空間や壁を隔ててお隣同士、上下で暮らすなど、極めて近距離で暮らすことになるため、サポートを得やすいです。初めての子育ては不安もいっぱいですし、経験が少ないご夫婦にとって、子育ての先輩である親の支援は助かります。

共働き世帯が増え、子育て中も仕事を継続する方が増えています。子育てと仕事の両立を図るうえでも、親のサポートはありがたいですよね。「子育てで自分の時間が持てない」「仕事で子どもが一人になってしまう」という際に家族でサポートし合えるのが大きなメリットです。

メリット2.両親の体調を気遣える

二世帯住宅に変更する段階で、親が何歳になっているのか、どのような状態にあるのかはご家庭ごとに異なります。

老老介護になっていた両親をサポートし、自宅で介護をしたいと二世帯住宅への変更を検討されている方もいるかもしれません。

また、同居当初はお孫さんの送り迎えができるほど元気であっても、年齢を重ねるにつれ、不安なことも増えてきます。ヒートショックや転倒リスク、不注意による火災や認知能力の低下による生活不安などが発生します。

高齢者だけでの生活より、すぐ傍で親の生活をサポートすることや体調不良に気づける環境は、お互いにとって安心ですね。

メリット3.節税対策になる

二世帯住宅にした場合、完全同居型や部分共用型なら、これまで親世帯、子世帯でそれぞれ支払っていた固定資産税を1つにまとめることができます。住む地域や建物の面積にもよりますが、二世帯分より低額に抑えられるケースが多いです。

一方、完全分離型に建て替えた場合、新築住宅の固定資産税軽減制度を二戸分受けられる可能性があります。また、同居の場合、相続が発生した際に小規模宅地等の特例の適用が受けられ、相続宅地の大幅な評価減が期待できます。

メリット4.長く住み続けられる

実家を二世帯住宅にせず、親世帯と子世帯が別々の場所で暮らしていると、親が亡くなった時に空き家問題が発生するおそれがあります。地方の物件で売り手がつかない場合や、思い入れが強く、売ることができず、空き家として放置してしまうケースも少なくありません。

住まなくても固定資産税の支払いが必要となり、管理コストがかかります。実家を二世帯住宅にして移り住むことで大切な実家により長く住み続けられます。そのために、未来基準での建て替えやリノベーションがおすすめです。

デメリット1.土地の面積によって間取り変更に限界がある

土地が狭いケース、都市計画や建築制限などで容積率などに制約がある場合、理想の間取りに変更できないおそれがあります。完全分離型にしたくても、同居型しか実現できないといった場合、互いの暮らし方や距離感に大きな差が出るので注意が必要です。

ご自身と自分の親との関係で考えるだけでなく、義理の親と暮らす配偶者や親の意向、関係性に配慮し、互いに納得できる暮らし方が実現できるか、よく検討しましょう。

デメリット2.資金計画の話し合いが必要

二世帯住宅を建てるうえでは、資金の出し手や割合を決めることが必要です。親の財産で建てる場合、基本的に親名義となり、後に相続手続きが必要となります。

自分が住宅ローンですべて払う場合には、払える範囲に収まるか検討しなくてはなりません。親と共有名義や親子リレーローンを使う方法もありますが、親の年齢や収入によってはローンが組めないケースもあります。

2つの家族が関わる問題なので、資金面で揉めないようにしっかりと話し合うことが大切です。ローンを検討している場合は以下の記事もチェックしましょう。

【知らなきゃ損!】持ち家リノベに使えるローン

税制優遇を受けられる可能性も

二世帯住宅を建てる際は、軽減措置や優遇制度が用意されています。

所定の条件を満たすと、不動産所得税・固定資産税が軽減され、小規模宅地の特例や住宅取得等資金贈与の非課税枠が適用される場合は、相続税の優遇税制を受けられます。


お得に二世帯住宅を建てられる優遇制度なので、検討中の方はぜひ、調べてください。

弊社にお問い合わせいただければ、詳しくご説明させていただきます。ぜひ、一度ご相談ください。

二世帯住宅の場合建て替えとリノベ、どっちが良い?


二世帯住宅へ変更する方法としては、親世帯の実家または子世帯が暮らす現在の家を取り壊して建て替える方法と、現在の住宅をリノベーションして二世帯住宅にする方法があります。

いずれが良いのかは、現在の住宅や土地の広さ、老朽化度合い、希望の間取りが実現できるかといった事情や費用面で異なります。

建て替えとリノベーション、それぞれのメリットや費用を知り、検討材料にしてください。

建て替えとリノベーションの比較

「建て替え」とは、家を解体して更地にした状態から、新しく建てる工事のことを指します。

「リノベーション」とは、柱や梁といった建物の基礎を残しつつ、内装仕上げや設備を改築・修繕することです。

建て替えとリノベーションのメリット

建て替えは、最初から新しい家を作り直すため、親世帯と子世帯の理想を最も叶えやすい手法です。すべて一度取り壊すため、新しい我が家を手に入れられます。

リノベーションは、家を解体する必要がないため、工期が短くなります。スピード感を重視したい方はリノベーションが適しています。

また、愛着のある実家が跡形もなくなってしまう建て替えに比べて、リノベーションは住み慣れた実家の面影を残したまま新たに生まれ変わらせることができます。

建て替えとリノベーションの費用

建て替えとリノベーションの違いを理解したうえで、それぞれの費用相場を見てみましょう。

新築建て替え

解体費500万円+建築費用2,000万円=2,500万円(概算)
※物件の広さや諸条件によって相当な幅があります

家を更地にする”建て替え”は、家を新しく創り出すため、建築費用に解体費が大きくのしかかってきます。また、建築費用以外にも登記や税金が発生します。

リノベーション

建築費用500万円~2,500万円(概算)
※物件の広さや諸条件によって相当な幅があります

リノベーションは、元ある家をグレードアップさせる工事なので、解体費用を抑えられます。さらに条件に合えば補助金や助成金の対象になる場合もあるため、限られた費用で二世帯住宅を建てたい方には、リノベーションがおすすめです。

二世帯住宅の進め方



二世帯住宅にするかどうかを決め、実際に建築へと進めていくには、家族で時間をかけてしっかり相談することが大切です。

義理の親と生活することになる配偶者の意向や孫にあたる子どもたちの考え方、そして親の意向も確認しましょう。

実家を二世帯住宅にする方法のほか、すでに子世帯がマイホームを持っている場合には親を呼び寄せる方法もあります。親が新しい環境で暮らせるのか、子どもが実家に引っ越すことに異論はないのかなど、場所選びも大きな検討課題です。

そのうえで、完全同居、部分同居、完全分離など間取りをどうするのかや、資金の負担の仕方も考えなくてはなりません。

間取りは資金計画にも影響し、面積などによって制約があるケースもあるので、早めにプロに相談するのが安心です。

まとめ

二世帯住宅は、介護や子育ての面で多くのメリットを持っており、共働きのご夫婦や高齢のご両親がいらっしゃる方におすすめです。

二世帯住宅の形式には3種類あり、どのタイプが適しているかは、土地の広さや建築制限などの要素をはじめ、ご家庭の状況や価値観にもよります。ハード面、ソフト面におけるメリット、デメリットを踏まえて検討しましょう。

二世帯住宅に変更する場合に、建て替えとリノベーションかを決めかねているなら、まずリノベーションから検討してみてはいかがでしょうか。

リノベーションなら、大切な実家の思い出を活かしたうえで費用を抑えることができます。
子世帯がマイホームの場合、まだ築年数が浅い場合も多いので、建て替えよりリノベーションのほうが有効活用につながります。

二世帯住宅の相談をプロにしたい時には、豊富な耐震実績による安全性とデザイン力の高さを誇る弊社へぜひご相談ください。

リノベーションについてさらに詳しく知りたいという方は、ぜひ、下記の関連記事もご覧ください。

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