中古住宅(戸建て・一軒家)のリノベーション費用を徹底解説!
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カテゴリー:リノベーション
「新築住宅を買うより、中古住宅を購入してリノベーションするのが良いらしいよ」そんな話を聞いたことがありませんか。そういう話を聞いても、「リノベーションって、そもそも何?」という方もいるかもしれません。中古住宅を買ったうえ、リノベーション費用もかけるとかなりの出費になりそうと心配されている方もいることでしょう。
この記事では、リノベーションの種類や方法とともに、費用相場について解説していきます。リノベーションの前提となる、中古住宅を購入する際のポイントや注意点もご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
中古住宅(戸建て・一軒家)のリノベーションは3種類ある!それぞれの費用相場は?
リノベーションといっても、その方法は大きく分けて3種類あります。その3種類とは、表層リノベーション、フルリノベーション、スケルトンリノベーションです。どれも、言葉を聞いただけでは、ピンと来ないかもしれません。
この章では、3つのリノベーションの特徴とそれぞれの費用相場についてご案内します。
どのパターンが良いかは、購入する中古住宅の種類や状態、住む方のニーズによっても異なります。
表層リノベーションとは?
表層リノベーションとは、表面に現れている部分のみをリノベーションする方法です。
表面というと、外壁や屋根など外装を塗装し直すなどをイメージされるかもしれません。
ですが、ここでいう表層は、建物内部の目に見える部分を意味します。
たとえば、内壁や床、天井の板や押し入れや襖(ふすま)、ドアなどの目に見える建具です。快適に暮らしていくにあたり、室内の目に見える部分のみを新しくしようという方法です。
古くなった配管を交換する工事、天井や壁内部の断熱材を交換するなど、内部までのリノベーションは行われません。
室内の間取り変更や屋外の外壁塗装や屋根塗装もしません。表層リノベーションが向いているのは、築年数が比較的短い、老朽化の度合いが低い、間取りに不満がないケースです。
また、最初は費用を抑え、後から外装リフォームをしようと計画される方にも向いています。費用相場は、床面積や施工内容にもよりますが、750万円~1,400万円程度かかります。これでも、ほかの方法に比べるとコストを抑えられる方法です。
フルリノベーションとは?
フルリノベーションは、全体的にリノベーションを行うという意味合いです。室内については、目に見えている表層だけでなく、古くなった配管の交換や水回り設備の交換なども行います。
また、外装も手を入れるので外壁塗装や屋根塗装、防水工事をはじめ、ウッドデッキの交換や設置など外構工事も含めて施工することが可能です。床やクロスを張り替えるだけでは快適に住めないほど築年数が経過した場合や設備などの老朽化が進んでいるケースに適しています。
外壁塗装や屋根塗装も雨漏りを防止し、建物を守るために欠かせない工事です。築年数が経過するにつれ、雨漏りリスクも高まるので、住み始める前にやっておくと安心です。
費用相場は、床面積や施工内容にもよりますが、1,300万円~2,400万円程度かかります。
広さのほか、交換する部分や新たに設置する設備のグレード、塗料のグレードなどによって価格も高めになってきます。
スケルトンリノベーションとは?
スケルトンとは、骨格や構造躯体、中が透明で見える構造のものを指します。スケルトンリノベーションは、床や壁を取り払い、耐震工事や断熱シートなどの交換を行うことや間取り変更も行える、大規模な工事のことをいいます。
築年数が古い住宅や老朽化が進んでいる住宅、耐震基準が現在の基準に満たない時代に建てられた住宅などは、今後安心して暮らすために、一度骨組みだけにして壁や床の内部まで手入れをしたほうが安全です。
また、スケルトンリノベーションを選択するケースとして、間取り変更を望まれるケースがあります。部屋をつなげることや和室を洋室に変更する程度ならスケルトンリノベーションをしなくても問題ありません。
ですが、水回りの位置を変えたり、壁を取りはらって1つの広い部屋にしたり、部屋の配置などを大きく変える場合には、スケルトンリノベーションが必要です。費用相場は、床面積や施工内容にもよりますが、1,700万円~3,000万円程度かかります。
中古住宅(戸建て・一軒家)のリノベーション費用相場一覧
費用相場は床面積や施工内容によって異なりますが、平均的な相場についてご紹介します。
たとえば、一戸建てでよくある70㎡程度の場合、表層リノベーションなら900万円程度、フルリノベーションなら1,500万円程度、スケルトンリノベーションでは2,000万円程度が見込まれます。同じ広さの住宅でも、どの種類のリノベーションをするかで費用に差が出るのがわかるのではないでしょうか。
では、少し広めの100㎡ほどの住宅だとどうでしょうか。表層リノベーションなら1,300万円程度、フルリノベーションなら2,200万円程度、スケルトンリノベーションでは2,800万円程度です。当然ながら、広くなれば、面積が狭い住宅よりかかる費用は大きくなります。
とはいえ、面積を問わず、グレードの高い建材を使ったり、設備を高級なものにしたり、高品質な塗料などを使えば、その分高くなります。同じ面積の住宅で同じ種類のリノベーション方法を選んでも、「何をどうしたいか」という希望条件や施工内容、建具や設置する設備によっても費用は大きく変わるのです。そのため、費用相場はあくまで予算に見合うかを考える際の参考にとどめ、具体的な費用については弊社にお問い合わせください。
一方、予算を抑えたいから表層リノベーションで良いといった選択の仕方はおすすめできません。なぜなら、どの手法が良いかの選択基準は中古住宅の状態によって変わってくるからです。
古くて不安な要素があるのに、表層のみで良いとなると、すぐに不具合が生じて再び補修工事やリノベーションが必要になるおそれがあります。そのため、「建物の状態」によっても大きく費用が変わってくるので、どのような状態の中古住宅を購入するかも、費用面に大きく影響を与えます。
次章で紹介する「チェックポイント」を参考に、中古住宅購入時には念入りに確認しましょう。戸建て住宅のリノベーション事例と具体的な費用については、以下の記事も参考にしてください。
中古住宅(戸建て・一軒家)の購入前にチェックすべきポイント
リノベーションを行う前提で価格の安い中古住宅を購入する方が増えています。その際に大事なのが、「中古住宅の購入費用+リノベーション費用」が予算内に収まるように、調整を図ることです。
中古住宅は築年数をはじめ、前の住人の住み方で劣化具合が大きく変わります。しっかりお手入れされている場合や定期的なメンテナンスやリフォームをしていれば、劣化部分も少なく、相場よりもリノベーション費用が抑えられるのでしょう。本章では、中古住宅の購入前にチェックすべきポイントをご紹介します。
劣化部分を詳しくチェックしよう!
表層リノベーションの対象となる目に見える部分については、劣化しているか、汚れや傷が目立つからリノベーションしたいか、好みのデザインではないから変えたいかなど、素人でも比較的わかりやすい部分です。
これに対して、配管や床下や柱、天井裏などの構造部分や外壁・屋根などの躯体部分は、目に見えない部分や見にくい部分、素人ではリノベーションが必要なのかがわかりにくい部分です。
一方、傷んでいるにもかかわらず、気づかずに購入し、フルリノベーションやスケルトンリノベーションを行わないとすれば、老朽化が進み続け、長く住めない恐れがあります。内部の構造や躯体部分の劣化度合いを見極めるには、専門知識が必要です。そのため、プロにホームインスペクション(住宅診断)を依頼するのがおすすめです。
リフォーム履歴をチェックしよう!
住宅を購入しても、それだけで一生快適に安全に住み続けられるわけではありません。住んでいる間にも経年劣化が進んでいくので、住宅の寿命を維持し、長く安心して住むためには、定期的なリフォームが必要です。
主なリフォーム箇所として、水回り設備の交換や床やクロスの張り替え、外壁塗装や屋根塗装などが挙げられます。使われている設備や資材、使用度合いや環境によっても異なりますが、10年~15年程度でリフォームが望まれます。
たとえば、築35年の住宅なら、10年目、20年目、30年目など2回から3回は行われていると、よく手入れされた住宅といえるでしょう。
売主の中には、将来の売却を見込んで、リフォーム履歴を記録している方やリフォーム時の工事契約書などを保管されている方もいます。また、大手ハウスメーカーで新築からリフォームまで行っていると、住まいのカルテのようなものがある場合もあるので、確認させてもらうことが可能です。
物件の状態によってメンテナンスすべき箇所が大きく異なるため、リフォーム履歴をチェックすることで、どの部分のメンテナンスが不足しているのかを事前にリサーチすることができます。こうした履歴が残っていない場合には、売主からのヒアリングと実際の状態を見るしかありません。
相続物件などの場合、相続人である売主は把握していないこともあります。リフォーム履歴は、物件見学の際に不動産会社に依頼することでチェックすることも可能です。
定期的にリフォームをしている物件ほどリノベーション費用も安く済むため、よく手入れの行き届いている物件かをチェックしましょう。
建ぺい率・容積率をチェックしよう!
建ぺい率とは、敷地面積に対する建坪の割合で、たとえば、敷地面積が100㎡で建坪60㎡なら、建ぺい率は60%です。
容積率は敷地面積に対する延床面積の割合で、1階、2階を含め、建物全体の床面積を合計したものの割合になります。敷地面積100㎡の土地に、1階の床面積が50㎡、2階40㎡の場合、延床面積は100㎡で床面積の合計は90㎡になるため、容積率は90%です。
では、建ぺい率や容積率のチェックがなぜ必要なのでしょうか。広さを見た目だけでなく数値で把握するのも大切ですし、建築基準法や都市計画法など、法制度との関係でチェックが必要だからです。
現存の建物では認められていても、リノベーションにより増築する時や床面積などを広げたい時に制限がかかり、希望通りにならないおそれがあるので注意しなくてはなりません。
たとえば、用途地域が定められていると、建ぺい率や容積率の上限が定められています。
建物の所在地の自治体で都市計画マップを公開しているので、まずは確認してみましょう。
分かりにくい場合には、役所の都市計画関係の部署に電話問い合わせをして確認することも可能です。
弊社ではワンストップリノベーションサービスを行っています。理想の家探しからリノベーションまでワンストップでお手伝いしますので、ぜひ、ご相談ください。
工事以外に必要となる費用
中古住宅を購入して、理想の間取りや内装、外装にしたいなどと夢が膨らむと、中古住宅の価格+リノベーション費用ばかりに注目しがちです。この合計額が予算内に収まっていれば大丈夫と行動してしまうと、思わぬ出費で予算オーバーになることが少なくありません。
リノベーション工事そのものにかかる費用に注目してしまいがちですが、実はそれ以外にも費用がかかります。ここでは、中古住宅の価格やリノベーション工事以外に必要となる費用についてご案内します。
中古住宅の購入に必要な費用
中古住宅の購入というと、不動産情報サイトなどに提示されている売値だけに注目してしまう方が少なくありません。予算は2,500万円だから、1,000万円の中古住宅を買って、リノベーションに1,500万円までかけられると思ったら間違いです。
中古住宅は、一般的には個人の売主から買うため、不動産会社の仲介が必要です。仲介手数料だけでも、(売買価格×3%+6万円)×消費税がかかります。
たとえば、1,000万円の物件であれば、38万8,800円の仲介手数料がかかる計算です。それ以外に、契約時に契約書に貼付する印紙税や土地と中古住宅の所有権を移転するための登記費用、登記手続きを依頼する司法書士の報酬の支払いも必要です。
不動産を取得すれば不動産取得税もかかりますし、その後、毎年固定資産税や都市計画税の支払いも必要になります。リノベーションが完了すれば、引越し費用もかかります。きれいになった住宅に合わせて、家具や家電製品などを新調する費用や古い家財などを処分する費用など、多くの費用が発生しますので注意しましょう。
現在のお住まいの家の賃料と住宅ローンの二重払い
現在、賃貸住宅に暮らしている場合、住宅ローンを利用して中古住宅を購入すれば、実際に住まなくても融資の実行日から住宅ローンの返済も始まります。新築の建売住宅とは異なり、すぐに引っ越すわけにはいかず、購入してからリノベーション工事がスタートします。
工事の期間が長くなるほど、引っ越すまでの間、家賃と住宅ローンの二重払いをする期間が長くなるので注意が必要です。
一般的にはフルリノベーションやスケルトンリノベーションなど大規模な工事を行うほど、長期の二重払いリスクが高まります。二重払いの期間をなるべく少なくするためにも、物件探しから購入、リノベーションまで一括で任せられる「ワンストップリノベーション」がおすすめです。
また、中古住宅の購入やリノベーションに活用できるローンについて詳しくは、以下の記事もご覧ください。
まとめ
中古住宅を購入して、自分好みにリノベーションする方法が人気を集めていますが、リノベーションには先述した通り、大きく3種類あります。
■表層リノベーション
室内の目に見える部分だけを交換・補修する表層リノベーション
■フルリノベーション
配管など目に見えない部分や老朽化した水回り設備、外壁塗装や屋根塗装、外構なども対象となるリノベーション
■スケルトンリノベーション
壁や床、天井などを取りはらって、耐震工事や断熱工事を行い、間取り変更なども行うリノベーション
費用相場は施工内容、築年数、床面積、建物の状態によって大きく変わります。中古住宅(戸建て・一軒家)を購入してのリノベーションを検討している方は、劣化部分のチェックやプロへのホームインスペクション(住宅診断)の依頼、リフォーム履歴のチェックが欠かせません。
また、増築予定がある場合は、建ぺい率・容積率のチェックを忘れずに行いましょう。
「どこの業者にお願いしたらよいか分からない」とお困りの方は、実績豊富な弊社に一度ご相談ください。
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