木造住宅の耐震診断 調査の様子や診断結果の見方をご紹介

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耐震診断

耐震診断とは、建物が地震の揺れによって倒壊するかしないかを見極めるための調査のことで、「わが家の健康診断」と言えるものです。

住宅の耐震化を進めるうえでのスタートラインになります。


今回の記事では、耐震診断の具体的な内容と診断結果の見方などをご説明します。


「耐震診断ってどんなことをするの?」

「診断結果はどう見たらいいの?」

と疑問に思っている方はぜひ参考にしてみてください。


特に、2000年5月以前の住宅は耐震性が不足している可能性が高いので、ぜひ耐震診断を検討してみてください。

▶誰に頼めばいいかわからない場合は、こちらの記事「木造住宅の耐震診断 流れや業者の見つけ方・補助金制度を紹介します」をご覧ください。補助金のことも紹介しています。

耐震診断の事前準備

事前準備

耐震診断するためには家の現状を耐震診断業者が正確に把握する必要があります。

そのために、以下の資料があれば事前に用意し耐震診断業者に提示しましょう。

・建物図面(竣工時・リフォーム時など)

・建築確認申請書類(確認済証)

建物図面

耐震診断には住宅の図面が必要です。竣工図面やリフォームした場合はリフォーム時の図面も用意しておきましょう。

図面がない場合は耐震診断業者が現地を確認しながら作成してくれますが、別料金が発生することもあります。

 

建築確認申請書類(確認済証)

確認済証とは「建築する前に建築確認申請書を提出し、審査がなされて建築基準法令に適合したことを証明する」書類のことで、確認済証がないと工事に着手できません。

建物の面積や構造、竣工時期などがわかるので、どの時期の耐震基準に基づいて建てられたのかがはっきりします。

古い住宅の場合はどこかに行ってしまったということもあるかもしれませんが、できるだけ準備するようにしましょう。

 

耐震診断の現地調査

現地調査では外観だけではなく室内も調査します。

調査項目は概ね以下のような内容です。

・屋外調査

・屋内調査

・小屋裏・天井懐調査

・床下調査


調査自体は2~3時間で終了することが多いので、意外と早く終わる印象ではないでしょうか。


屋外調査

特に、屋根や外壁に使われている仕上げ材は建物の重量に大きくかかわるため、図面と併せて現地で確認します。

屋根、外壁、基礎など建物の外観はすべて確認し、瓦のズレや外壁・基礎にあるクラックの幅なども詳細に調査します。

屋内調査

室内の仕上げ材や劣化の状況、建具の建付け(開閉のしやすさ)、建物の傾斜などを確認します。

耐震性の有無は壁の量と位置が大きく影響しますので、壁の寸法なども詳細に測定します。

小屋裏・天井懐調査

小屋裏(屋根の内側)や天井懐(1階と2階の間)に入って、筋交いの端部や継ぎ手に金物が使われているかなどを確認します。

少し専門的になりますが、耐震性の有無は床の剛性にも関係があります。

箱に例えると、フタのない箱は横から押せば簡単にゆがみますが、フタがあるとゆがみにくくなるイメージです。

普段は開けることのない天井点検口から調査するので、点検口の真下に家具があれば、移動が必要になる場合もあります。

床下調査

床下調査は、基礎や筋交いの端部などの確認とあわせて劣化調査も重点的に行います。

地面からの湿気が絶え間なく上がってくるため、浴室付近を中心に湿気や劣化の有無を調べます。

蟻害や腐朽があると耐久性にも問題がありますし、過去の大地震では倒壊した家屋の約8割にシロアリの食害や水漏れが発見されていました。

床下点検口から調査するので、点検口の真上に家具があれば、移動が必要になる場合もあります。

耐震診断業者からのヒアリング

耐震診断業者が住宅の状況について質問することがあります。

住宅の改修履歴や雨漏りの有無などを聞かれるので、できるだけ詳しく答えられるよう住宅のことをよくわかっている人が立ち会うようにしましょう。

 

耐震診断結果の見方

現地調査は約2~3時間で修了し、その後1~2週間程度で耐震診断報告書ができあがります。

耐震診断報告書を見ると耐震性がどの程度あるのかわかりますが、見るのは「評点」の部分です。

・耐震性は「評点」で判断する

・耐震診断は各階2方向で検討される

耐震性は「評点」で判断する

耐震診断ではいろいろ難しい計算がなされ、最終的に「評点」というものが出ます。

評点には下表の区分があり、1.0未満であれば倒壊の可能性があります。

 

構造評点

耐震診断は各階2方向で検討される

耐震診断は各階2方向で検討されるため、2階建ての住宅の場合4つの評点が算出され、4つのうち最も低い評点がその住宅の評点となります。

2方向というのは、南北方向・東西方向と考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。


下表のケースでは、1階と2階のY方向は1.0以上ありますが、1階のX方向が0.407のため、「倒壊する可能性が高い」という評価になります。

まとめ

耐震診断は、工事と違って業者が調査に来るのは基本1日だけで、時間も2~3時間と短時間で済むため、意外と早く終わります。


耐震性がなかったとしても、どの程度耐震性が不足しているかがわかるので、「耐震補強する」「建替える」といった選択肢を絞りやすくなります。


2000年5月以前の住宅は耐震性が不足している可能性が高いので、ぜひ耐震診断を検討してみてください。


弊社には住宅の耐震診断や耐震補強の実績が豊富にございます。

お客様に寄り添った提案をさせていただきますので、耐震性に不安のある方はぜひご相談ください。


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