自宅のブロック塀は安全ですか?安全基準とチェックポイントを解説!

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ブロック塀

 ブロック塀は地震で倒壊する危険があり、命に関わる深刻な被害が生じる可能性があります。倒壊すれば救助活動の妨げにもなりかねません。


危険なブロック塀を放置しておけば、いつ悲惨な事故が起きるかわかりません。

自宅にブロック塀がある方は、その危険性に不安を感じることも多いのではないでしょうか。


 しかし、日頃から適切な点検と維持管理を行えば、そうした懸念から解放されます。

本記事では、過去の地震で発生したブロック塀による被害を紹介し、効果的な点検方法や補助制度などについてご紹介します。


地震活動期に入った現在、ブロック塀の点検は特に重要です。


気になる方はすぐに点検を行い、必要な対策を講じましょう。

命を守るために今すぐ行動しましょう!

過去の大規模地震とブロック塀倒壊による被害

倒壊したブロック塀
出典:美作市ホームページ

1995年の阪神・淡路大震災ではブロック塀等の被害が2,468か所もありました。

ブロック塀の倒壊による人的被害の正確な数値は不明ですが、被害に遭われた方が少なくないことは容易に想像できます。

2016年の熊本地震でもブロック塀が倒壊し犠牲者が出ています。

また、2018年の大阪北部地震では、小学校のブロック塀が倒壊し小学生が犠牲になったことは記憶に新しいのではないでしょうか。


ブロック塀にはプライバシーの確保や防犯の役割がありますが、適切な管理を怠れば地震の際に凶器となり尊い命を脅かす可能性があります。


これまでの悲しい事例を二度と繰り返さないためにも、日ごろからの適切な管理が欠かせません。

ブロック塀の安全基準

安全基準

ブロック塀の安全基準は建築基準法施行令で定められていて、ポイントは以下のとおりです。

・高さは2.2m以下
・壁の厚さは15cm以上(高さが2m以下の場合は10cm以上)
・長さ3.4mごとに控壁を設置(高さが1.2m超の場合)
・コンクリートの基礎がある
・鉄筋が入っている


高さは2.2m以下

ブロック塀の高さは2.2m以下でなければなりません。

敷地境界で地盤に高低差がある場合は、低いほうの地盤からの高さを測りましょう。

ブロック1段の高さは約20cmなので、段数を数えればおおよその高さがわかります。

壁の厚さは15cm以上(高さが2m以下の場合は10cm以上)

一般的なコンクリートブロックの厚さは10cm、12cm、15cm、19cmの4種類です。

塀の高さが2m以下なら厚さ10cm以上2mを超え2.2m以下なら厚さ15cm以上が必要となります。


長さ3.4mごとに控壁を設置(高さが1.2m超の場合)

控壁(ひかえかべ)とは、ブロック塀に直交する方向に設置する壁のことで、地震時の倒壊を防ぐ役割があります。

長さ3.4m以下ごとに高さの1/5以上突出した控壁を設置しなければなりません。

控壁がないと、ブロック塀のバランスが保てず地震で容易に倒れ危険な凶器となります。

控え壁
出典:一般社団法人 日本建築防災協会パンフレット

コンクリートの基礎がある

基礎がきちんと作られていなければ、地震時にブロック塀が根元から倒れてしまう恐れがあります。

塀の高さが1.2mを超える場合、基礎の高さは35cm以上、根入れ深さ(土の中に入っている深さのこと)は30cm以上が必要です。

出典:一般社団法人 日本建築防災協会パンフレット

鉄筋が入っている

直径9㎜以上の鉄筋が縦横ともに80cm以下の間隔で配筋されていて、所定の位置でかぎ掛けされている必要があります。
鉄筋の入っていないブロック塀は、地震に極めて脆弱なため考えるだけでもゾッとします。

出典:一般社団法人 日本建築防災協会パンフレット

このように、ブロック塀には安全基準がきちんと設けられており、高さが1.2mを超える場合は、より厳しい基準となっています。


設置した当時は法令に適合していても、その後の法令改正で適合しなくなった「既存不適格」(違反とは別)と扱われるブロック塀もあります。

違反ではなくとも、基準を満たさないブロック塀は地震時に人的被害を引き起こす可能性があります。
安全基準は必ず守りましょう。

ブロック塀の点検方法

ブロック塀が安全かどうかをチェックする方法が国土交通省のホームページにあります。

点検のチェックポイント
出典:国土交通省ホームページ

第1段階のチェック

外観目視によって、以下の項目をチェックします。

・塀の高さは2.2m以下か?
・壁の厚さは15cm以上あるか?(高さが2m以下の場合は10cm以上)
・控え壁はあるか?(塀の高さが1.2mを超える場合)
・コンクリートの基礎があるか?
・傾きや亀裂、ぐらつきがないか?


どの項目も大切ですが、傾きやぐらつきがある場合、すぐに専門家に相談しましょう!


第2段階のチェック

次に、

・鉄筋の有無
・基礎の形状、根入れ深さ

をチェックします。

これは自分で確認することがむずかしいので、専門家に依頼するのが賢明です。

第1段階の目視チェックで異常が見つかった場合も、早めに専門家に相談することをおすすめします。

通行人に危害を与えたら?

ブロック塀が倒壊し通行人や物に被害を与えてしまった場合、その責任は所有者(占有者)に課せられる可能性があります

自然災害であっても、適切な管理を怠っていれば、賠償責任を問われるおそれがあります。


ブロック塀は私的財産であり、所有者には適切な管理が求められます

危険が確認された場合は、速やかに撤去や補修など適切な対策を講じましょう!

ブロック塀で使える補助制度

ブロック塀の撤去や改修工事について、市町村が補助制度を設けている場合があります。

まずは、お住まいの市町村に「ブロック塀の補助制度があるか?」確認してみましょう。

市町村によって補助の上限額や要件が異なるので、具体的な内容は個別に確認する必要があります。


例えば、大阪府内では以下のような補助を行っている市町村があります。

・道路に面したブロック塀の除却工事費に最大15万円を補助

・ブロック塀の除却に続いて同じ年度に軽量フェンス等を設置する工事費に最大20万円を補助

・ブロック塀等をすべて撤去する場合に補助


このように、市町村がブロック塀の安全対策に向けた補助金制度を用意しているケースがあるので、ブロック塀の撤去を検討している方は積極的に活用しましょう。

まとめ

過去の地震でブロック塀による深刻な被害が発生したことから、徹底した安全対策が求められています。

所有者は安全基準を理解し、定期的な点検と必要に応じた撤去や補強を行いましょう。

市町村の補助制度を上手く活用すれば、費用面の負担を抑えられます。


ブロック塀の危険性は無視できません。

しっかりと安全対策を行い、地震に備えましょう!


弊社には住宅の耐震診断や耐震補強の実績が豊富にございます。

住宅のブロック塀についても不安な方はぜひご相談ください。

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