木造住宅の耐震設計で押さえておきたい基本的なポイントを5つ紹介します。
①建物の重さ
②耐力壁の量と配置バランス
③基礎
④接合部の緊結
⑤劣化対策
①建物の重さ
建物が重ければ、そのぶん大きな地震力が働くため、軽い建物に比べて耐震上不利になります。
「住宅で重さに差があるのか?」と思われるかもしれませんが、木造住宅の重さに大きく影響するのが、主に屋根材です。
土葺き瓦屋根は非常に重く、スレートや金属屋根は軽い屋根に分類されます。
雨漏りがあって屋根の改修が必要な場合は、軽い屋根材に変えてみてもいいかもしれません。
建物が重くても、壁を増やしたり強くしたりすることでも耐震化は可能です。
②耐力壁の量と配置バランス
耐震性で重要なのが耐力壁の量とバランスの良い配置です。
耐力壁とは、筋交い(すじかい)や面材を使った強度のある壁のことを言います。
地震や風などの横からの力に対しては耐力壁の量が重要になりますが、量が確保されていても、バランスが悪いと効果は十分に発揮されません。
少し専門的になりますが、家の重心(重さの中心)と剛心(壁の強さの中心)が離れているとバランスが悪く、地震が起きた時にねじれて倒壊する可能性が高くなります。
たとえば、光をとりいれるために南側に窓を多くとり、北側に耐力壁が集中する場合、剛心は北側に偏りやすくなります。