リノベーションと固定資産税の関係|ケース別に解説



リノベーションをすると、固定資産税が高くなってしまうのではないかと不安を感じる方もいるのではないでしょうか。

 

実は、リノベーションの内容によって固定資産税が上がるケース、下がるケース、変わらないケースがあります。本記事では、それぞれのケースについて詳しく解説していきますので、ぜひ、参考にしてください。

 

そもそも固定資産税とは何か?


まず、固定資産税の概要について説明します。固定資産税とは、持ち家を所有している方が支払う地方税の一種です。一戸建てやマンションなど、不動産を所有している場合は支払う必要があります。




固定資産税は、毎年1月1日時点で自分が所有している固定資産に課税され、概ね4月の前半に振込用紙が郵送されてきます。固定資産税は、土地と建物の2つの要素から構成されており、それぞれの評価額に基づいて計算されます。

 

土地を対象とする固定資産税は、地価公示価格の70%で計算されます。一方、建物を対象とする固定資産税は、固定資産税評価額を見て計算されます。固定資産税評価額は、建物の価値や築年数などを考慮して3年に一度見直されます。


築年数が増えるにつれて固定資産税評価額は減っていく傾向があるため、古い建物を所有している方は比較的安く済む可能性があります。

 

リノベーションの固定資産税への影響

 

不動産のリノベーションによって固定資産税に影響があることをご存知でしょうか。

 

リノベーションによって建物の床面積が増えた場合や、建物の使用用途が変わった場合には、固定資産税が上がる可能性があります。

 

逆に、耐震性の向上や省エネ化、バリアフリー化など、特定の条件を満たすリノベーションによっては、固定資産税が下がる場合もあります。




ここからは、固定資産税が上がるケース、下がるケース、変わらないケースそれぞれについて詳しくご紹介していきます。


固定資産税が上がるかもしれないリノベーション


それでは、どのようなリノベーションをした場合に上がる可能性があるのか詳しく説明していきますので、ぜひ、参考にしてください。

 

床面積を増やすリノベーション

 

部屋が狭く感じられると、床面積を増やすリノベーションを計画することがあります。広さがあればより快適に生活できますし、くつろぎやすくなるでしょう。しかし、床面積が増えると固定資産税が上がる可能性があることを忘れてはいけません。


 

リノベーションを計画する前に、固定資産税の評価額がどのように変化するかをしっかりと確認しておくことが大切です。

 

また、床面積が変わる場合には、建築確認申請と不動産登記の変更が必要になりますので、忘れずに手続きをしましょう。


建物の使用用途が変わるリノベーション

 

これまでは住居として暮らしてきたものの、自宅を改装して飲食店経営を始めたい、自分のショップを持ちたいと考える場合もあるのではないでしょうか。

新しい場所に店舗を持つとなると、それなりにお金がかかってしまいます。自宅の一階を改装し、少しでも開業予算を抑えたい場合もありますよね。





このような場合、建物の使用用途が変わってしまいます。そのため、これまでの住居とは評価基準が異なり、店舗や事務所としての価値が加味されます。また、建築確認申請と不動産登記の変更もしなければなりません。

 

自宅を改装して店舗や事務所を造るとなると、建物としての価値が上がる場合がほとんどです。結果として、今までの住居専用の時より、固定資産税が高くなる可能性があります。



住宅の主要構造部に関するリノベーション

 

住宅には、柱や梁、階段、屋根などの「主要構造部」と呼ばれる、重要な部分があります。これらの部分をリノベーションすると、建物の価値が上がり、固定資産税も上がってしまう可能性があります。

 

また、木造3階建てや鉄骨2階建ての場合、主要構造部をリノベーションする場合は建築確認申請が必要です。内装・設備・間仕切り壁などをすべて取り払い、建物の骨組みとなる構造体だけにして行う「スケルトンリノベーション」の場合も同様です。

 

しかし、リノベーションを行わないと住宅の価値が下がることもあるため、適切なリノベーションを行うことが重要です。ただし、建築確認申請などの手続きが必要な場合があるため、しっかりと確認してから計画を進めましょう。



固定資産税が下がるかもしれないリノベーション

 

リノベーションをすると、建物が使いやすく利便性も出て、固定資産税も高くなるイメージが強いかもしれません。

 

しかし中には、固定資産税が下がるリノベーションもあります。今までよりも少しでも税金が安くなったら嬉しいですよね。主な例としては、耐震リノベーション、省エネ住宅へのリノベーションなどが挙げられます。

 

それでは、固定資産税が下がるかもしれないリノベーションについて詳しくご紹介したいと思います。



耐震リノベーション

 

現在住んでいる住宅が耐震基準を超えていない場合、耐震リノベーションをすると固定資産税が安くなります。




特に、昭和57年1月1日よりも前に建てられた場合、耐震基準を満たしていません。当時の耐震基準は震度5程度の地震に耐えられるように想定されていました。ですが、1995年に発生した阪神淡路大震災では、震度6を記録し、多くの家屋が倒壊しました。古い耐震基準のままでは、いざという時に家が倒壊してしまう恐れがあるのです。

 

新耐震基準では、震度6強~7程度でも倒壊しないという基準に改められています。もし今住んでいる自宅が昭和57年1月1日よりも前の建物でリノベーションを考えているのであれば、工事完了の翌年度から2年分固定資産税が半分になります。

 

以下のページでも耐震リノベーションについてご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

中古物件のリノベーション時は耐震補強が重要?費用や工事内容を紹介



省エネ住宅へのリノベーション

 

省エネを心がけ、環境のためにも機能的な住宅に住みたいと考える方もいるのではないでしょうか。断熱工事など、省エネ住宅へのリノベーションは、環境に優しいだけでなく、少ないエネルギーで快適に暮らせるようになるため、光熱費などの出費も減らせます。

 

省エネ住宅へリノベーションを行う場合も、固定資産税を安くすることが可能です。平成26年4月1日以前の建物をリノベーションした場合、翌年度の固定資産税額の1/3が減額になり、支払いが楽になります。

 

これは令和6年3月31日までの適用となり、期間限定です。適用を受けるための要件は、省エネ改修工事の後、床面積が50㎡以上280㎡以下、店舗等併用住宅の場合は、床面積の1/2以上が居住用でなければならないなど、いくつか要件があります。

 

省エネ住宅へリノベーションができると、夏は涼しく冬は暖かい部屋の中で快適に過ごせます。これから省エネ住宅へのリノベーションを考えている方は、以下のページも参考にしてみてください。

 

省エネ住宅とは?メリットやリフォーム箇所を徹底解説!



バリアフリーに関するリノベーション

 


年齢を重ねてきて階段の上り下りがきつい、車椅子を使うようになって道路や廊下が狭いなど、問題も起きてくる場合もありますよね。今までの間取りでは不便さも生じ、大変に感じてしまうでしょう。

 


実は、バリアフリーのリノベーションを行う際も、固定資産税が安くなります。適用条件をクリアできれば、一戸あたり100㎡の床面積相当分に関して、固定資産税を1/3にする制度があります。

 

固定資産が安くなるのは、工事を行った年ではなく翌年からの適用です。バリアフリーのリノベーションが適用になる条件としては、65歳以上の高齢者だけではありません。身体が思うように動けない障がい者や要支援や要介護認定を受けている方も該当します。

 

補助金を利用しない状態で50万円以上の施工費用が発生しないと使えないので、それよりも安いリノベーションでは適用になりません。

 

バリアフリーリノベーションに関しては、下記の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ、合わせてご覧ください。

 

【5分でわかる!】介護リフォーム費用相場



固定資産税が変化しないリノベーション

 

固定資産税が増減するリノベーションも多い中で、変化しないものもあります。少しでも固定資産税が安くなったら嬉しいですが、高くなるよりは変わらないままだと、安心だと感じる方も多いのではないでしょうか。

 

では、どんな場合に固定資産税が増減せず、変化しないリノベーションとなるのか、具体的に詳しく解説していきます。



経年劣化を回復させるリノベーション

 

新築の頃はすべてがきれいで、このままの状態が続くと感じてしまいますが、10年を過ぎた頃からあちこちが傷み始めます。20年や30年にもなると、それなりに経年劣化が進んでしまうのです。

 

この経年劣化してしまった壁や床を直すためにリノベーションをする場合は、固定資産税は上がりません。特に、バリアフリーや省エネが目的のリノベーションでもないため、下がることもありませんが、翌年以降の固定資産税はこれまでとそこまで変わらない金額の請求が来ます。




建物は、そのままに傷んでいる部分を原状回復したいというのが目的にもなりますので、住宅の機能が基に戻るだけと解釈されます。屋根が剥がれた部分を購入した時に近い状態に戻す、外壁の塗装が剥げてきたものを元の状態に塗り直すなどの工事は、固定資産税の心配をする必要がありません。


経年劣化を補修するだけでも固定資産税が上がるのではと不安視されていた方は、安心してください。



間取り変更をしない内装リノベーション


リノベーションをする時には、自分たちが使い勝手の良いように、間取りを変更する方が多いですが、中には間取りをそのままに、内装だけをリノベーションしたいという方もいらっしゃいます。


この場合、固定資産税は変わらず、建築確認申請も必要ありません。例えば、おしゃれなフローリングに張り替えたい、今までとは違った色や柄の壁紙に変えたいといった、内装を変えることで住まいの雰囲気を変えたいという方は、固定資産税の問題を気にする必要はありません。


理想のリノベーションを考える際に、固定資産税の問題で悩む方もいるかもしれません。間取りを変更してしまうと、建物の価値が上がるため、固定資産税も高くなってしまう可能性があります。


そのため、固定資産税が不安でリノベーションに踏み切れないという方は、間取りを変えずに内装だけのリノベーションを検討すると良いでしょう。



基礎に影響しないリノベーション


先述の通り、固定資産税が上がるかどうかは、建築の主要部分を替えるかどうかで判断できます。もし柱や階段をすべてリノベーションして、しっかりと替えたいとなれば、固定資産税も上がる可能性が高いです。さらに、建築確認申請も必要になり、手間暇がかかってしまいます。


逆を言うと、壁や柱、階段などを替えない小規模なリノベーションの場合は、固定資産税は今までと同じというケースがほとんどです。どの程度変えるかにもよりますが、 たとえば階段の一部分を少し手を加えるという場合は問題ありません。


ただ、階段の一部分といっても、全体で見た時に半分以上になってしまう場合は建築確認申請が必要です。すると、建物の価値が上がったとみなされて、固定資産税も上がってしまう可能性があります。


ほかにも、間仕切り壁や間柱など、主要部分以外の壁や柱の場合も建築確認申請が必要ではなく、固定資産税も変わりません。


まとめ


リノベーションを行う際には、固定資産税がどのように変化するのかを考慮する必要があります。一般的には、リノベーションによって建物の価値が上がるため、固定資産税も上昇すると思われがちです。


しかし、省エネや耐震、バリアフリーのリノベーションを行うことで、固定資産税が下がる可能性もあります。また、耐震リノベーションや省エネリノベーションでも、固定資産税が減税される場合があります。


リノベーションによって間取りが変わり、床面積が増加した場合は、固定資産税が上昇する場合があります。また、建物の主要構造部を変える場合も、固定資産税が上昇する可能性があるため、事前に確認しましょう。


リノベーションによって固定資産税が上がるか下がるかは、工事内容よって異なります。そのため、専門会社に相談することで、最適なリノベーションプランを立てることが重要です。


CMCではお客様の状況やご希望を丁寧に伺ってプランニングをいたします。ぜひ、一度、お気軽にご相談ください。



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