省エネ住宅とは?メリットやリフォーム箇所を徹底解説!
投稿日:
カテゴリー:省エネリフォーム
省エネ住宅という言葉を耳にしたことはあっても、「どんな住宅なのかよく分からない」なんて方が多いのではないでしょうか。日本ではエネルギー消費対策の一環として、「省エネ住宅」の普及に力が注がれています。国が推進している事業なので、気になりますよね。今回は、省エネ住宅の意味や基準、リフォームの仕方、関係する補助金について説明していきます。
省エネ住宅とは
省エネ住宅は冷暖房などの消費エネルギーを抑えられる住宅で、年間の光熱費が安く済むメリットがあります。また、部屋の温度を一定に保つ能力が高いので、一年中快適さを保ちやすい住宅だといえます。
省エネ住宅の基準は国が定めているので安心
省エネ住宅は「外皮性能」と「住宅全体で使用するエネルギー量」によって評価されます。日本では地域・気候に応じた8つの基準値が設定されていて、これを満たす住宅が、省エネ住宅とみなされる仕組みです。
■外皮性能
外壁や窓による熱の移動を数値として表した評価基準です。UA値・ηA値と呼ばれる数値が低いほど省エネ性に優れています。
■住宅全体で使用するエネルギー量(一次エネルギー消費量)
冷暖房・換気・照明・給湯などによるエネルギー消費量を算出し、一次エネルギー消費量という統一単位に換算して評価します。基準値を下回ることが省エネ住宅と認定される条件です。
省エネ住宅にはどんな機能があるの?
ここでは、省エネ住宅の柱となる3つの対策をご紹介します。
■断熱効果
家は床・屋根・壁・窓などあらゆる場所を熱が行き来します。断熱性を高めることで、夏は外から熱が入らないようにし、冬は熱が外に逃げないようにできます。
■日射遮蔽効果
窓などから入ってくる太陽の熱(日射熱)が原因で、夏は室内がうだるような暑さになることがありますよね。日射熱を遮蔽すると部屋の中は涼しい状態が保たれるので、冷房に使うエネルギーを少なくできます。
■気密効果
熱は空気とともに動くので、家の中に空気が出入りできる隙間があると、冷暖房の効果が弱まってしまいます。気密性を高めると、室内外の熱移動を防げるようになり、消費エネルギーを抑えられます。
省エネ住宅のメリットとデメリット
それでは、省エネ住宅のメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
■1年中快適な空間で過ごせる
「ソファの下からスキマ風が吹いてくる」「廊下が寒い」といった悩みをお持ちの方もいますよね。省エネ住宅では、家の内外への熱移動が少なくなるため、家の中が快適な温度に保たれます。
■家計にやさしい
省エネ住宅では、冷暖房の効率が高まります。過度に低い温度で冷房や高い温度で暖房をかける必要がなくなるのです。国土交通省によると、省エネ住宅に住むと、120㎡あたり年間2.5万円の光熱費が削減できるとされています。
出典:国土交通省「省エネ基準への適合のための追加コスト等の試算例について(住宅)」
■環境にも良い
省エネ住宅は、私達が身近なことで実現できるSDGsの取り組みの一つです。省エネルギーで暮らすことは地球環境にも優しいため、持続可能な社会づくりに貢献できます。
■ヒートショックのリスク回避
冬は風呂場と脱衣所・廊下の温度差が大きく、心臓や脳に悪影響がでる「ヒートショック」が発生しやすくなるため、注意が必要です。省エネ住宅なら屋内の場所による温度差が大きくなりにくいため、リスクを下げられます。
デメリット
■初期費用が高い
断熱をはじめとした優れた機能を一般住宅に上乗せするため、省エネ住宅にする場合は、プラスアルファのコストがかかります。国土交通省の試算では、120㎡の戸建て住宅で1戸あたり約87万円のコスト増が示されています。
出典:国土交通省「省エネ基準への適合のための追加コスト等の試算例について(住宅)」
ただし、現在は国が省エネ住宅を推進しているため、補助金や減税制度が用意されています。
■省エネに詳しい業者を探す必要がある
補助金や助成金の申請に詳しく、等級認定される住宅を施工できる会社はあまり多くはありません。その点、弊社は一級建築士事務所として多くのリフォーム実績があるので、安心してご依頼ください。
省エネ住宅のリフォーム箇所
省エネ住宅のリフォームでは具体的にどのような箇所を改修するのか説明します。
断熱リフォーム
■天井断熱
天井に断熱材を入れることで、夏は部屋が熱せられるのを防ぎ、冬は熱が外に逃げるのを防ぎます。
■床下断熱
ボード上の断熱材を床下に敷き詰めることで、足元からの冷えを防ぐことができます。
■外壁断熱
外壁に断熱材を入れることで冷暖房効果が高まります。
■窓断熱
窓の交換や内窓の設置を行なう施工です。日射遮蔽効果を高めるための特殊なガラスもあります。
■高断熱浴槽の設置
高断熱浴槽はお湯の熱が逃げにくくなり、追い炊きの回数を減らせるため、光熱費が安くなります。
水回りのリフォーム
■節水トイレの設置
旧式のトイレでは、一回の洗浄で13Lもの水を流していました。最近は一般的なモデルのトイレでも、6L程度、最新の節水トイレではなんと3.8Lまで水の使用を抑えられます。
■節水、節湯水栓の設置
最近は、お湯の使用量を削減できるタイプの蛇口や、少量の水で洗浄できる蛇口など多くの製品が開発されています。快適さはそのままで大きな節約につながるため、設置をおすすめします。
省エネ住宅で活用できる補助金をご紹介
省エネ住宅へリフォームする際に利用したいのが補助金です。特に注目したいのが、2022年から実施される「こどもみらい住宅支援事業」。子育て世代なら最大60万円までの補助が受けられます。難しい手続きも必要ないので安心してください。
参考までに省エネ住宅へのリフォームで活用できるおすすめの補助金を記載しますのでご覧ください。いずれも条件によりますが、「こどもみらい住宅支援事業」と併用できます。
■外構部の木質化対策支援事業
■長期優良住宅化リフォーム推進事業
■住宅・建築物安全ストック形成事業
■ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業
■次世代省エネ建材支援事業
■既存住宅における断熱リフォーム支援事業
■住宅エコリフォーム推進事業(補助金)
■住宅・建築物省エネ改修推進事業(交付金)
「うちの場合はどんな補助金が使えるのだろう?」など、ご興味のある方は、一度お気軽にご相談ください。
まとめ
省エネ住宅は、不要な熱の出入りを防ぐことによって、省エネルギー化を実現する住宅です。「一年中快適な空間になる」「月々の光熱費が安くなる」「身体にも優しい環境を作れる」「地球に優しい」など、多くのメリットを得られるため、おすすめのリフォーム手段です。
唯一と言っても良いデメリットは初期費用ですが、補助金が十分に用意されているため、不安に思う必要はありません。リフォームを考えている方は、省エネ住宅を検討してみてはいかがでしょうか。
最新の投稿
- 木造住宅の耐震設計のポイント5選!費用相場を知り補助金を有効活用しよう
- 木造住宅の耐震診断 調査の様子や診断結果の見方をご紹介
- 木造住宅の耐震診断 流れや業者の見つけ方・補助金制度を紹介します
- 【木造住宅】新耐震基準では不十分?最新の耐震基準は「2000年基準」です!
- 南海トラフ地震はいつ起きるのか?住宅の耐震化など地震への備えをしておきましょう!
- 地震大国 日本! 大地震はいつ起きても不思議ではありません
- 古民家リノベーションの魅力を知りたい!費用相場・補助金、メリット・デメリットも紹介!
- 平屋リノベーションにかかる費用はいくら? メリット・デメリットやおしゃれな施工事例を紹介!
- マンションを自分好みに!フルリノベーションのメリット・費用・事例紹介
- 【お風呂で転倒事故を防ぎましょう】介護リフォームで安全なバスルームに